①「巡り」を調える前に知っておくこと
- walnutskitchen

- 1月8日
- 読了時間: 3分
更新日:1 日前

「最近、巡りが悪くて……」
講義や日々のご相談の中で、とてもよく耳にする言葉です。
イライラする気分が落ち着かない、冷える、眠りが浅い、疲れが抜けない…
こうした不調を、私たちはつい「巡りが悪いから」 と一言でまとめてしまいがちです。
薬膳の視点で体を見ていくと、ひとつ大切な前提があります。
「巡らない理由は、ひとつではない」
ということは、巡りの調え方もまた、一つではないということ。
巡りを邪魔している根本原因によって、取るべき対応は変わってきます。
薬膳でいう「巡り」とは何か
このブログでは、中医学薬膳の考え方を土台にお話ししています。
ここでいう「巡り」とは、
気・血・津液が、本来の方向に、必要な量だけ、過不足なく動いている状態
を指します。
つまり、速ければよい、強ければよい、たくさん動けばよい、という話ではありません。
適切に、ちょうどよく動いているかどうか。
それが「巡り」の基準になります。
「巡らない」状態は、ひとつではない
では、実際の体の中では、どんな違いが起きているのでしょうか。
一見すると同じような不調でも、体の中で起きていることは異なる場合があります。
たとえば、
動きたいのに、滞っている状態
本来下がるべきものが、上に昇っている状態
そもそも、動かす力や、巡りを支える土台が足りない状態
同じ「巡らない」という言葉でも、中身はまったく違うのです。
だから、
「巡りをよくしましょう」「巡らせる食材をとりましょう」
というアプローチが、すべての人に当てはまるとは限りません。
巡らせる前に、見るべきこと
薬膳では、「何を足すか」「何を動かすか」よりも前に、
今、体はどんな状態か
何が足りていて、何が足りていないか
体はブレーキをかけていないか
を見極めることを大切にします。
疲れ切っているときに、さらに動かせば、かえって消耗することもあります。
冷えが強いときに、無理に巡らせれば、バランスを崩すこともあります。
巡りは、「調える」前に、「見極める」。
それが、薬膳の基本的な姿勢です。
”巡らない”根本の原因が何かをしっかりと絞り込んで対応していくのです。
このブログで伝えていきたいこと
WALNUTS KITCHENの薬膳では、「これを食べればよい」「この症状にはこれ」という答えを急ぎません。
体が出すサインを観察し、今の自分に合う選択をする力、それを薬膳という美味しい料理に落とし込んでいく力を、少しずつ育てていく学びの場です。
そのための考え方を、このブログではお伝えしていきたいと考えています。
もし今、「巡りが悪い気がする」と感じているなら。
まずは、**「どう巡っていないのか」**を考えることから始めてみてください。
・ストレスを溜め込んでいないか
・怒りや悲しみ、心配など、 特定の感情を強く抱えすぎていないか
・休息はきちんと取れているか
・食事を無理なく、十分に摂れているか
・体は冷えていないか
巡りには、こうした日々の暮らし方が大きく関わっています。
「巡らないなら、巡らせればいい」という考え方は自然で最もですが、
薬膳の視点からするとそれが必ずしも最適とは限らないこともあります。
次回はそのようなお話をしたいと思います。
Natsuko Tanaka
国際中医薬膳師 / 薬膳講師
WALNUTS KITCHEN 薬膳スタジオ主宰



コメント