②「巡り」を調えるときに、気をつけたいこと
- 1月8日
- 読了時間: 3分
更新日:1月27日

前回のブログでは「巡り」を調える前に、体の状態をどう見ていくかという前提についてお話ししました。 ”「巡り」を調える前に知っておくこと”
「巡らない」理由はひとつではなく、その根本原因によって、取るべき対応は変わってくる。まずはその視点を持つことが大切だ、という内容でした。
「巡りが悪いなら、巡らせればいい」
と考えてしまう理由
巡りが悪いと感じたとき、「動けばいい」「巡らせる食材をとればいい」そう考えるのは、とても自然なことです。
一般的な健康情報でも、“巡りをよくすること”は良いこととして語られる場面が多くあります。
けれど、薬膳の視点では、この考え方がそのまま当てはまらない場合があるという点に注意が必要です。
巡らせたことで、
かえって不調が強くなることもある
実際の現場では、こんな声を耳にすることがあります。
・巡りを良くしようとして、以前より疲れるようになった
・動いた方がいいと思っていたら、眠れなくなった
・温めたり発散したあと、動悸や不安感が出てきた
本人は「体に良いこと」をしているつもりでも、体はむしろ消耗してしまっている。
こうしたケースは、決して珍しいものではありません。
問題は「巡らせたこと」ではありません
ここで、誤解してほしくないことがあります。
巡らせること自体が悪いわけではありません。
問題になるのは、
巡らせる前に必要な準備が整っていない状態で、動かそうとしてしまうことです。
巡りが悪く見えても、
体の内側では何が起きているか
巡りが悪いように見えても、
・そもそも、動かす力そのものが足りていない
・巡らせるための血や津液(水分)が不足している
・体が冷え、流れにくい環境になっている
こうした状態で「巡らせる」ことは、残っている力をさらに使わせてしまう結果になります。
巡らせる前に、整えておきたい土台
本来であれば、
動かす力が足りていないなら、まず補うこと。
巡らせる血や津液が不足しているなら、増やすこと。
冷えているなら、巡りやすい環境を整えること。
こうした土台づくりを行ったうえで、はじめて「巡らせる」という選択が生きてきます。
巡っていないときは、体は
どんなサインを出すのか
巡っていない時、次のような違和感が現れることが多くあります。
・体や気持ちが重く、すっきりしない
・寝ても疲れが取れない
・胸が張る、喉が詰まる、つかえるような感じがする
・気分にムラがでやすい
さらに、巡りを支えるもの(気、血、津液)が不足している時には
次のようなサインも加わります。
・少し動いたり、気温差など少しの刺激でも疲れやすい
・顔色や唇、爪の色が沈んでいる
・めまい、立ちくらみ、思考や集中力の低下を感じる
こうした違和感があるときは「巡らせる」ことよりも、
まず不足を補い立て直すことの方が先に必要な時もあります。
巡りを良くするために、
本当に必要なこと
巡りを良くするために、「何を足すか」「どう動かすか」を考える前に、
今の体は、本当に動かしてよい状態なのか。まずはそこを見極める必要があります。
巡らせる前にやるべきことを飛ばしてしまうと、体は整うどころか、かえって消耗し、不調が強くなることもあります。
だからこそ薬膳では、「どう巡らせるか」よりも先に、
「今、この体は巡らせてよい状態かどうか」を大切に考えるのです。
では、巡らせた方がいい人と、今は巡らせない方がいい人。
その違いは、どこを見れば判断できるのでしょうか。
次回は、動かす前に必ず確認したいポイントについて、具体的にお話ししていきます。
Natsuko Tanaka
国際中医薬膳師 / 薬膳講師
WALNUTS KITCHEN 薬膳スタジオ主宰



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